水平線まで何マイル?

発売日:2008/8/29


システム

セーブ数は100個でクイックは無し。


この作品のシステム面での一番の特徴といえばワイド画面が標準仕様ということでしょうか。

その環境を生かして、大抵が右側にテキスト、左側に立ち絵というのはなかなか新鮮で、

しかも見やすくて個人的には結構良かったと思います。

環境設定の方でも画面に関する設定は多めで、

いつ使うのかは分かりませんが、画面サイズをPSPの画面ぐらいの大きさに出来たりもします。


あとはテキスト中に航空用語だったり人物名だったりとかは

用語集へのリンクが張られてて、そこで詳しい説明を見れるというシステムもあり。

が、これが飛行機に関する用語の説明だと、別に難しくは無いんですが、

ちょっと理解しずらいというか…

まぁ見なくても物語には差し支えないんで、興味のない人はスルーしても一応は問題ないです。

ちなみに、人物に関する説明のほうは物語中である条件を満たすと追加される情報もあるみたいなので、

クリアした後に見直してみるとまたおもしろいかもしれませんね。


回想モードではキャラクターの一枚絵のほかに

背景とか、あとは全部で8回ある講座も見ることが出来ます。



音楽

全36曲。

そこそこに数はありますが、同じ曲のアレンジとかも結構あるんで

それを考えるともうちょい減るのかな。

雰囲気としては、”飛行機”、”空”、ということで

変な表現の仕方ですが透き通った感じでさわやかな感じといえばいいんでしょうかね。

まぁ、教官のテーマソング(?)みたいに、重々しく力強い音楽とかもありますが。

少なくとも雰囲気にあってないと思うような曲は無かったです。

お気に入りは「練習だぜ!」「陽のあたる場所」「南風」の3曲。



シナリオ

簡単にいうと、みんなで力を合わせて飛行機を飛ばすお話。

当初は学会の存続のためだったんですが、

そのうちみんな飛行機の楽しさにのめりこんで行く〜というような感じです。


さて、レビューですが…なんだろうなぁ、結構書くのが難しいんですよねえ。

まぁ全部のシナリオでそうというわけではないんですけど、

確かに物語の途中で問題が発生したりとか一旦悪い方向へ向かう、

向かうんだけども、わりとそんな深刻にならずにすぐ解決しちゃったりするんですよね。

悪く言えば、小さな山場はあっても決定的な山場がなんですよ。

なので、いざこうやって書くとなると、特別思い出が残ってる部分っていうのが無くて、

とりあえず楽しかったっていうぐらいしか残ってないんですよねぇ。


特にそれが顕著だったのが湖景ルート。

終盤はもっと盛り上げられる展開だったはずなのに、

尺の関係なのかは分かりませんが、ずいぶんと駆け足気味で片付いてしまったのがちょっと残念だったかなぁと。


会長は流れとしては良かったんですが、一番最後がもうちょい踏み込んで欲しかったですね。

Hシーンまでは問題なかったのに、その後がいろいろと飛ばしすぎです><


逆に麻里矢ルートは悪くは無かったと思います。

山場というと確かに余り思い浮かびませんが、終盤に関してはまとまった感じに終わってて、

物足りなさを感じることは無かったので。


そして朋夏と陽向、この2人は良く出来ていたと思います。

他のキャラに比べるとちゃんと山場みたいのもありましたし、

最後もすっきりと終わっていますし。

順位をつけるならこの2人のシナリオが1位、2位を争いますね


とまぁ、いまいち煮え切らない評価ですが、

だからといってつまらなかったかというとそうではなく、

特別な大事件とかがない変わりに、何気ない日常会話がなかなか楽しいんですよね。

いくら一箇所だけ素晴らしくても、やっぱり普段進めていくのがつまらないと辛いですからね。

そういう意味では、俺としてはどの話も結構楽しめたので一応満足ですね。



総評 43⁄50

プレイ時間は14〜17時間ぐらい。


楽しいんだけど、でも名作にはならないというちょっと不思議な作品。

決定的な不満点はないんですけどね、逆にものすごく印象に残る点も無かったという。


というのも、まぁあくまで個人的な意見ではありますが、

話的に「みんなで」飛行機を作り上げて、そして大会で勝つっていう流れなので

個別ルートに入ってからも、どのキャラにおいても

二人っきりっていう状況が余り無かったからじゃないかなぁと。


まぁ終盤にようやくそういう状況がでてきますが、しかしその後すぐエンディングでおしまい。

一般的によくあるシナリオだと、むしろそのエンディングの時点から初めてそのキャラのルートに入ることになるはず。

で、そっからもう一つ大きな事件だとか最大の見せ場が来て、そしてエンディングってなると思うんですよ。

しかし、テキストは退屈しない程度に楽しいのでサクサク進む。

そして、最後は一応まとめられてるだけに一見終ったように見えるんですが、いざ思い返してみると「あれっ?あんまり覚えてることが無い;;」

となってしまうと。

なので、そういう点では上でも書いたけど唯一沙夜子シナリオはいい流れだったんですけどねぇ。


多分あと1時間〜1時間半ぐらいの大会後のシナリオを書いた話があったなら、

あるいは、大会後じゃなくてもそのキャラと2人きりのエピソードか何かあれば

評価ももう2〜3点ぐらいは上がりそうな感じではありましたが。


とはいえ、普通に楽しめたことは楽しめましたし、最後もすっきりとは終ってるんで悪くはない作品。

よってこのような点数となりました。

仲間と力を合わせて何かを成し遂げたりするのが好きな人にはオススメですかね。

全部ハッピーエンドで終わるんで、学園もので一夏の青春ってものを味わいたい人はやってみてはどうでしょうか。


最後に一言:朋夏はポニテに限る!


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