夏空のモノローグ

発売日:2010/07/29


システム

セーブスロットは12個+クイックセーブが1つ。

環境設定はテキスト、スキップスピード、透明度、音声ボリュームおよびキャラ別オン/オフ。

あと主人公の名前変更可となってますね。

 

環境設定に関しては何も言うことはないのですが、

セーブスロットが12個というのがちょい厳しい気がしました。

6人いるので1人あたり2スロット。

全シーンの回想モードやチャプターで飛べるとかなら12個でも別にいいのですが、

残念ながら回想できるのはLRCだけという。



音楽

OPとEDのボーカル曲1曲ずつ+17曲で合計19曲。

OPが結構いい曲だと思うのですが、これを書いている辞典ではまだフルバージョンが世に出ていないようで非常に残念。

お気に入りはタイトルで流れる夏空とOPのナツソラの2曲。



シナリオ

あらすじ

舞台は海にほど近い田舎町、土岐島市。

主人公・小川葵はいつもと同じように過ごしていた。

平凡な風景の中にそびえ立つ、超高層建築物“ツリー”。

30年前に突如現れ、にわかに全国を騒がせたそれも、

今やただ寂れた観光資源に過ぎない。

そんな中、葵の所属していた科学部は廃部が決定。

面々は連れ立って廃部前日である、7月29日。

「ツリー」観測へと赴く。

その日、その時、その瞬間――。

「ツリー」は歌いだし、

――7月29日は、ループを始めた

以上、OHPより

 

 

 

というわけで廃部を目の前にした学園青春ループもの(?)なこの作品。

結論から言えば、泣きも笑いもある起承転結がしっかりした良作でした。

みんな何かしらの1日間でループするという現実に救われたり思うところを持っていて、

しかもその悩みってのがわりと物語ではありがちっていうのが、逆に共感できてよかったですね。

ループを越えて別のルートで深く考えさせられるところなんかもあって(主に木野瀬君関係)、

ループするという物語の設定を上手く生かしていた作品だったと思います。

 

あとこの作品、日常のバカとシリアスの使い分けが上手いですね。

部員達の掛け合いは本当に楽しくて、特に部長が絡んでくると思いっきり笑えます。

LRCですが空飛ぶカガハルとか最高でした。

今作のいいところの一つにはバカをやるところでは思いっきりバカをやるってところだと思いますね。

 

LRCは面白かったんですけども、全体的にあっさりとしていて物足りなさを感じてしまったのも事実。

種類が多くてループシナリオの中で唯一毎回全く違う話を見れるというのはすごく良かったと思うのですが、

個人的にはもう少し尺が欲しかったかなぁと。

 

シナリオの面白さは部長>篠原>綿森=木野瀬>先生>カガハルの順。

一番下のカガハルも安定して面白くニヤニヤ出来、全体的に面白さの水準は高かったです。

部長と篠原君は感情移入しすぎて泣きそうでした。

特に部長シナリオの切なさといったらもう。

木野瀬君はパッケージを飾ってるように実は一番深い位置にいるのですが、

あまり深く掘り下げられていないのですよねぇ。

真相編のの綿森ルートで掘り下げてくれたり救いのようなものを示してくれるとよりよかったと思うのですが。

 

あと最後に、俺としては名前固定にして主人公の名前を呼ばせた方が

クライマックスなどではより盛り上がったんじゃないだろうかと思うのは男側の視点からなのでしょうかねぇ。



総評 41⁄50点

プレイ時間は12〜14時間程度。

 

上にも書いたとおり笑えて切なくて伏線も結構しっかり回収していくといういい作品でした。

不満点は殆どないけども、主人公の名前は読んで欲しかったなぁ。

これだけは作中で何回も思うところがあったのですよ。

 

物語としては、あくまで男視点からですので絶対の自信はありませんけども、

一人の男の子とイチャイチャニヤニヤするっていう成分やや少なめで、

仲間たちとのにぎやかさを楽しみつつ切なさも味わえる作品という気がしました。

そういう意味では、乙女ゲーというジャンルではあるものの、性別を問わず勧められる作品なんじゃないかなぁと思います。

ループ系のシナリオ好きで、乙女ゲーに抵抗がないなら男女問わずにオススメな作品です。

 

 


最後に一言:このゲームをやって諸君をしょっくぅぅぅんと発音するようになったのは自分だけじゃないはず(?)


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