Crescendo〜永遠だと思っていたあの頃〜Full Voice Version〜

発売日:2003/7/25


システム

セーブ数は30。

決して多くはないですけども、話自体がそこまで長くは無いので一応足りるはず。

 

環境設定の方も毎度のD.O.の設定でプレイしていく上での不満は特になし。

選択肢後のスキップ解除等も選べましたし。

ただまぁディスクレスに出来るならなおよかったかなという感じです。



音楽

曲数は28曲でうち1曲はボーカル曲。

全体的にピアノ曲が多めで、個人的にはとても満足。

結構物語の雰囲気としてはやや独特な世界観があるのですが、

どれもその雰囲気にマッチしていていい感じ。

あと、わりとBGMが無いシーンとかも会ったりするのですが、

それすらも雰囲気的に合っているっていうのはなんか不思議な感じです。

お気に入りは話の区切りで流れるWall Street Rag Arr.ver.。

その区切りの部分はクリックで飛ばそうと思えば飛ばせるのですが、これが聞きたいがために毎回飛ばさないで見てたぐらいです。



シナリオ

話としては、

卒業まであと5日。

そんな時期にして主人公・佐々木涼は出席日数不足のために補習を受けていた。

と同時に3年間を共に過ごした友人、先生、後輩、そしてお世話になった姉への思い出に耽っていた。

しかし思い出だけでは終わらず、卒業という別れの迫った時期だからこそ、

募る思いや移す行動もあり・・・・・・。

 

という感じの一言でいうならば王道学園青春もの。

とりあえず俺個人としては非常に楽しめました。

音楽のところでも書きましたが、この作品って結構雰囲気が独特なんですよね。

静かで淡々としているというか。

でもだからといって、つまらない訳ではなくテキストはスラスラ読めてしまうような。

王道シナリオである程度の予想も付くのに、飽きるどころかどんどんのめりこんでいったのは、

そういう雰囲気の新鮮さ的なものも合ったんじゃないかと。

 

新鮮や独特でいえば、会話ではない地の文が完全に第3者視点なところも上げられますね。

よくあるのがその視点のキャラ(大体は主人公)の目線で物語が語られるのですが、

これはライターの視点という感じで全てのキャラクターの心情が描かれるんですよね。

なんていうんだろう、どっちかっていうとエロゲというよりも小説に近いかも。

そういうところがまた物語に引き込まれた1つなのかもしれないんですけども。

 

あとわりとどのシナリオもわりと急に終わるのですが、 

別に区切りが悪いわけじゃなくて、そこで余韻を残してくれるっていうのもまた素敵なところ。 

 

 

 

ちなみにフルボイス版にはアナザーシナリオなるものが付いてて、ifやアフターシナリオが楽しめるという。

このアナザーですが、佐々木あやめはかなりよかったですね。

このシナリオはアフター的な位置づけなのですが、あやめの苦悩がよく描かれていて、

内容としてもこちらが描いて欲しかったものを描いてくれた感じ。

 

ただ、逆に美夢は少しだけ残念。

アナザーというIFのシナリオという意味では一番美夢が映えるはずなので、

その意味でもうすこし力を入れて欲しかったかなと。

確かにハッピーエンドでしたが、もう少し尺を長くというか本編で出来なかった部分を描いて欲しかった気もしますね。



総評 45⁄50

プレイ時間は本編10時間程度、アナザーが4時間程度といったところでしょうか。

本編の方は逐一最初から初めてこの時間なので結構短め。 

 

この作品が初めて発売されたのは2001年ということで旧作に当たると思うのですが、こんなに素晴らしい作品があったとは。 

 

とにかくテキストがいいんですよね。

絵の方は少女マンガ的というか多分好みが分かれるところで、

俺としてもこういう絵はこういう絵で良いのですが、少なくとも萌えと直結するような絵には思えなかったんですよね。 

それが心理描写が絶妙でテキスト読んでるうちにどんどん可愛く思えてきてそのキャラが好きになっていきまして。

それに淡々とした第三者視点というところがまた自分の思い出などを重ねやすくて、

やっているうちに引き込まれていくのも魅力。

 

ともかく、王道シナリオだけども、ただの王道と侮るなかれという感じです。

オススメとしてはこれは万人に薦められる、むしろ薦めたい作品ですが、

特に学生時代を感じたい人、もしくはそれを思い出して哀愁感に浸りたい人(?)にどうぞかな。


最後に一言:よし、文芸部に入りますか(ぇ


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